カスタマー平均評価：  5
貴重な最後作
カスタネダ氏の遺作になった本書は、シリーズの悼尾を飾るにふさわしく
初章から終章までが、世界と魂の「本質的理解」への示唆に満ちています。
氏の想起に対するドン・ファン・マトゥスの
「我々は老いも若きも鏡の前の踊りを踊っているのだ」
という言葉が、直感的に理解できれば、本シリーズでの
ドンファンの数々の示唆?非言語的領野における宇宙認識の一形態の実相?を捕らえることは容易至極でありましょう。
後半ではいわゆる「ニューエイジ」思想に通じる真実が直截的に示されますが
これを、カスタネダ氏の同思想への迎合ととらえるか、同じネオ・シャーマニズム
の雄、M・ハーナー氏の「シャーマンへの道」などとの整合性による真実の証と考えるかは読者の判断にゆだねられるところではあります。
黒い影がカラスに変わる前に
知的好奇心というレベルを超えて、この本を原書で読んでみたい。「知的好奇心を越えて」そう感じるのははじめてだ。けれども、ここは踏みとどまらねばならないだろう。盲信は、綱渡りの失敗に等しいのだから。自分が渡らなくてはならないのが綱であり、足下には「無限」があること。そして念ずれば直ちに安全地帯が目の前に現れること。そのことを心のどこかに絶えずおいておくことが、まさしくドン・ファンの教えに繋がるように思う。 感覚を「ことば」から解放すること、そして死を意識し、行為を意図すること（＝目的のみを見て盲目的にならぬこと）がドン・ファンのもっとも大切な教えなのではないだろうか。 間をあけずに再読するのではなく、いずれの日にか、再び読みたくなった時にこそ、立ち返るべき本であるように思う。
実にまいりました。でも今までの10冊はなんだったんでしょう
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衝撃の書
この著者の本を初めて読んだ。ひきこまれるようにおもしろい。しかし
同時に難解でもある。 呪術師であるドンファンとカスタネダとの会話はまるで禅問答のように
も見える。ドンファンに導かれて、カスタネダは多くの追憶とともに鍛
えられ戦士・旅人への道を歩む。 そして最後に師により驚愕の真実が明かされる。あまりの内容にカスタネダ は吐き気を覚え、それを否定しようとするが、それができない。その衝撃の
内容とはいったい！？ 最後の場面は小説的でもある。これをノンフィクションであると信じるのを
躊躇する人も多いだろう。しかしドンファンの語る言葉はあまりに魅力的で
読む者をして深く人生について考えさせずにはおかない。本書を読んだ者は 世の中を以前と同じように見ることができない自分に気がつくのではないか。
カルロスカスタネダシリーズ最後の本
カスタネダ本人の呪術の探求はこの本をもって終了する。
今までのシリーズの中であいまいに説明がされていた内容に
終始符を打つかのような説明に初めて読む人は驚嘆し、
今までのシリーズと付き合って来た人は納得できるだろう。
その他のシリーズがこの一冊に全てのエッセンスが凝縮されて
いると言っていいだろう。 カスタネダはこの本を最後に息をひきとった。 今やカスタネダの見た世界を知るすべを残してくれている、
われわれに残されている最後のガイドラインとなってしまったのだ。
必ず読む価値はあると思う。
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